第4章 横断的な取り組み(まち・ひと・しごと創生)
3.さらなる「まち・ひと・しごと創生」の推進
(1)施策の基本的方向
国は、第1期のまち・ひと・しごと創生総合戦略(以下「総合戦略」という。)の成果として、地方の若者の就業率や訪日外国人旅行者数の増加傾向などから「しごとの創生」を挙げ、一方、残された課題として東京圏への転入超過が依然増加していることを挙げています。その上で、「継続は力なり」という姿勢を基本とし、第1期の4つの基本目標を維持しながら、「新たな視点」を加えた形で、2019(令和元)年12月に第2期の総合戦略が閣議決定されたところです。
伊賀市においても、前述のこれまでの取り組みの振り返りのとおり、「しごとの創生」に関わる基本目標1と「ひとの創生(流れ)」に関わる基本目標4については成果があったといえますが、「ひとの創生(出産等)」に関わる基本目標2と「まちの創生」に関わる基本目標3については、残された課題に引き続き取り組む必要があります。
人口減少対策は一朝一夕には効果が出ないことから、伊賀市のさらなる「まち・ひと・しごと創生」に向けて、国及び三重県の動向を踏まえ、次のとおりこれまでの4つの基本目標を受け継ぎ、より分かりやすい視点を打ち出しながら実際の取り組みへとつなげていきます。具体的には、「子ども」「くらし」「にぎわい」の3点を、「コロナの先の伊賀づくり」の重要テーマとします。なお、目標を達成するため、基本目標ごとに実施する取り組みを「政策パッケージ」として第3次計画の体系(施策-基本事業)にとらわれず横断的に組み合わせて行い、各主体が効率良く力を発揮するとともにより高い相乗効果を生み出すことをめざします。
また、国は第2期の総合戦略の「新たな視点」として、横断的な目標である「(1)多様な人材の活躍を推進する」、「(2)新しい時代の流れを力にする」を打ち出し、さらに「地方とのつながりを築く」観点として「関係人口」をとらえることや、「ひとが集う、魅力を育む」観点として所得を向上することと地域資源を最大限活用することを挙げています。
伊賀市では、これまでもシティプロモーションによる関係人口の拡大や、シビックプライドの下での人材育成に取り組んできました。今後も、これらに継続して取り組むとともに、SDGsを意識した「誰一人取り残さない」持続可能で多様性・包摂性ある社会づくりをめざして、伊賀市独自の視点である人権文化、伊賀流自治などについても取り組みを進めます。さらに、Society5.0による地域課題の解決に向けて、さまざまな「未来技術」を活用した先進的な取り組みを進めます。