「望ましい環境像」と基本目標
基本目標3 豊かな自然 豊かな自然と生物多様性の保全
郷土の恵まれた自然の保全や身近な樹木、水辺の保全・創出、景観の保全に努めます。
本市域には、渓流、森林等の豊かな自然環境や農村地域の里山等の原風景が点在し、とりわけ、青山地域や大山田地域には国指定の特別天然記念物のオオサンショウウオが棲息しています。森林は、多くの動植物の生息地であると同時に、水源を守ったり、温室効果ガスの一つである二酸化炭素を吸収したり、土砂などの流出を防いだりといったSDGsの目標達成に貢献可能な多くの機能を持っています。このような森林の多面的機能が発揮されるよう、間伐などによる森林整備を行います。
また、伊賀市、京都府笠置町、南山城村、奈良県山添村で構成する「伊賀城和定住自立圏」は、大阪湾に流入する淀川水系の最上流域に位置する木津川が圏域内を流れ、圏域全体が周囲を山々に囲まれた自然に恵まれた地域で、古くから和銅の道、大和街道、伊賀街道が整備され、都と隣接する交通の要所として重要な役割を果たしてきた「水と歴史でつながる圏域」でもあります。
このような豊かな自然環境は、私たちにとっても、生命の基盤となる貴重な空間であり、かつ多様な自然環境は、環境の健全さを示す指標でもあります。
このようなことを次世代に引き継ぐため、以下の施策を実施していきます。
〈基本目標達成のためにめざすべき数値目標〉
「伊賀市まちづくりアンケート」関連項目回答の満足度
毎年、本市が実施している「伊賀市まちづくりアンケート」で、施策『環境保全』の「豊かな自然環境が守られ次代へ引き継いでいる」という項目についての回答で、満足度アップを目指します。
基本施策(1)豊かな自然環境の保全
施策1 水辺の保全
- 河川や道路の工事は、濁水を発生させないなど生態系に配慮し行います。
施策2 森林の保全
- 森林の多面的機能が発揮されるよう、間伐などによる森林整備を行います。
- 市民、NPOやボランティア団体等と協働のもと、里山の保全や持続的整備を推進します。
施策3 農地の保全
- 「伊賀城和定住自立圏共生ビジョン」に基づき、圏域構成市町村が連携して、木津川流域の保全、整備、活用に取り組みます。
- 圏域内で連携し、河川環境保全への意識の高揚・定着を図る啓発事業を行います。
- 幼少期から圏域住民としての一体感を養うための交流を通して、エリアプライド(圏域の誇り・自尊心)の醸成に取り組みます。
基本施策(2)生物多様性
施策1 希少野生動植物種の保護
- 大規模開発については、希少野生動植物種を保護するため、環境アセスメントの実施について、国・県と連携して指導します。
- 希少野生動植物種の保護・育成を行うための支援を行います。
- 希少野生動植物種がみられる河川・湿地帯の保全に努めます。
- 生物多様性を総合的・計画的に保全するため、基本的な方針を定める生物多様性地域戦略の策定を検討します。
- 特定外来生物については、国や県と連携し、状況把握や情報発信を行います。
基本施策(3)公園の整備や緑化
施策1 公園の整備や緑化の推進
- 公園、緑地の適切な維持管理を行います。
- 公園の計画的な整備を行います。
- 市民農園の貸出し等、自然とのふれあいが図れる施設の紹介を行います。
施策2 緑化の推進
- 事業所等の敷地内で自然を取り入れた緑化推進のための啓発を行います。
実践すべき環境行動(市民・市民団体・地域・事業者)
市民・市民団体
- 地域環境を大切にするとともに、外来種等を絶対に放流等しない。
- 貴重な野生動植物を捕獲・採取しない。
- 自然を守る活動に積極的に参加する。
- 家庭菜園、植花、緑化を積極的に行い、身近な緑の確保に努める。
- 「伊賀城和定住自立圏共生ビジョン」に基づく圏域連携事業による河川環境保全の取り組みや啓発事業等に積極的に参加する。
地域(住民自治協議会等)
- クリーンウォーク等地域清掃、環境美化に努める。
- 犬・猫のふんの放置等飼養のルールについての注意喚起を行う。
- ごみ集積場の管理を行い、使用ルールの周知に努める。
- 里山の保全・管理に努める。
事業者
- 開発を行う際には、法令や指導要綱を遵守する。
- 工場や事業所の緑化等に努める。
- 地域に点在する農業用ため池の管理に努める。
- 大気汚染、悪臭発生の防止、騒音・振動の発生の防止に努める。